こんばんは。
お久しぶりです。
しばらく更新してなかったけど
みなさん、私のことを覚えていますか?
そうです。キャメロン・ディアスです。
ちょっと更新をサボったら
最高2位だったこのブログも
あれよあれよという間にランキング下降中。
更新してなかったのには、わけがあって
実は日本に帰ってきてから
絶賛体調不良だった私。
生活リズムの変化や、何かの食あたりなのか
熱は上がるわ、便は下るわ、吐くわ、吐くわ、吐くわ。
もう吐き気がずっと「俺のターン!」とばかりに私に攻撃を仕掛けてくる。
ブルーアイズ・ホワイトドラゴンとか出しそうな勢い。まじで。
出てくるのは、消化不良のカントリーマァムとかだけど。
もう、マーライオンか、ってくらい吐いてたから。
自宅のトイレがシンガポールになってたから。
ただ吐くだけならまだしも
「もしかして………あの人の…」
なんて、憧れの つわりごっこしちゃってたから私。
余計にツラくなったよね。
(※性別適合手術を受けても妊娠はしません)
まぁでも今のところ私の体を味わっているのは
Mサイズのダイレーターと、エレータ(詳しくはコチラ)の二人だけですから
どちらの子にせよ、アクリル製のカッチカッチの棒人間が産まれることには違いない。
そんな体調不良でしんどい中でも止められないのがダイレーション。
(※ダイレーションとは?
= 手術によって作られた膣が、塞がらないようにするために
毎日定期的に、棒を突っ込んで行う拡張作業のこと。詳しくは⇒コチラ)
熱が出ようが、吐こうが、血が出ようが、泣こうが喚こうが
医者から「絶対にダイレーションだけは止めんなマジで」
と帰国前に何度も念を押された私。
特に私の受けた術式は通常の陰茎反転法と違い、少し特殊であり
なおかつ、体の治癒力が高まる術後2~3ヶ月のこの時期が
最も狭窄が激しくなり
つまりは、最もダイレーションがハードになる時期。
例え体調が悪くても、迫り来る膣狭窄と戦わなければならない。
これは本当に過酷。
映画で言ったら「ダイハード」
海外ドラマでいったら「24」ばりの死闘だ。
「私はジャック・バウアー。今日は今までで一番長い日になる。」
なんてセリフと、デジタル時計の「ピッピッピ…」って映像が脳裏に浮かぶ。
ついでに「今すぐ銃を捨てろ!」とか言ってみる。ダイレーター片手に。下半身裸で。
そして吐き気と銃撃戦を繰り広げる中、ダイレーションを開始。
とにかく気持ちが悪い。
ジャックもビックリの気持ち悪さ。
思わず「なにこれ。え、台本と全然違うし」ってジャック怯むから、まじで。
「世界とか平和とか、別にどっちでもいいし」とか言い出すから。
大統領に危機が訪れようが、国がテロ攻撃にあおうが
ジャックは自宅のトイレでマーライオンだから。シンガポールだから。
「もう、とりあえずFBIとかに任せようぜ。気持ち悪いし」って帰っちゃうから。
「主演?もうシュワちゃんでよくね?」ってなっちゃうから絶対。
痛みに関しては、一ヶ月ほど前と違い
刃物で刺すような痛みこそ無くなったものの、それなりにまだ痛い。
皮膚が通常の膣と違い、あまり伸縮性が無く、堅い。
堅くて突っ張ったみたいに「いてててて」ってなる。
試しに「ゴムゴムの~」とか言ってみるも、皮膚、伸びない。
「え?もしかしてこのまま膣が閉じてしまうのではないか?」と
一瞬不安がよぎるが、深さだけは変わらずキープ出来ているので、多分大丈夫。
ただタイにいた時は1時間ほどで終わったダイレーションも
今はそれに30分ほど余計に時間がかかるようになってしまった。
これを今の時期は1日3回。
術後3ヶ月を過ぎるまではこのペース。
ダイレーションが中心の生活になっているため、しばらくは社会復帰は難しそう。
この1日に3回もダイレーションがあると
ちょっと面倒な日もあるわけですよ。
「今日ぐらいは2回でいんじゃね?」と
私の中のブラックさつきが、そそのかしてくる。
このブラックさつきは、いつも私に
例えば賞味期限が少し過ぎたヨーグルトなんかでも
「まだいけんじゃね?だって発酵物だし」とか
他にも
「見たことの無い映画を勘でレビューしてみようぜ」
とか
「このオナラは大丈夫なパターンだから」
と、下痢の際に提案してくる、危険な思想のヤツだ。
そんなブラックさつきの甘い誘惑を振り切り
何とか1日3回のペースを守っている私。
そんな困難だらけの私の術後生活にも、朗報はある。
まず、タイ滞在中は大量に服用していた、痛み止めを一切飲まなくなったこと。
やはり飲んだほうが楽なのだが
飲まずに、それなりに生活を送れるのはやはり素晴らしい。
だって、アスピリンの26倍もする痛み止めを1日何度も飲んでたのだ。
どう考えたって、体に良くない。
これが、朗報一つ目。
あと他には、そうだな。
うん。
バカボンド35巻が発売したことくらいかな。うん。
ねぇ、武蔵。
私も一緒に戦うよ。
ダイレーターという刀を片手に。
【術後34日目】色々な変化とジャックバウワー
【術後36日目】生理用ナプキンとか、匂いの話
今まで生理用品って使ったことなくって。
当たり前だけど。
ちょっとした憧れを抱きつつも、アレって未知の物体だったわけ。
私にとっては、マスカラ、リップ、ハイヒールに次ぐ、ザ・女子アイテム「ナプキン」。
大人の階段登ったシンデレラだけが着用を許された、まさにドレスのようなもの。
ドラックストアなんかで「ほぅら、私は大人の女なのよ。シンデレラなの」と言わんばかりに
ナプキン片手に私の横を通りすぎていった女共。
カビキラー片手にその場に立ち尽くす私。
悔しい!
私にはナプキンを着用するチャンスすら与えられないのね!
と、涙を流したね。
カビをキラーしながら。
昔、私の体のことを何も知らない女の後輩と会話してたら
「サツキさんって、どこのナプキン使ってるんですか?」みたいなことを不意に聞かれて。
まさにキラーパス。中田英寿ばりのキラーパス。
今思えば「ロリエ」とか「ウィスパー」とか、何か適当に答えれば良かったんだけど
そんなもの一度も使ったこと無い私は、一個も名前が浮かばない。
焦る私。
が、使ったこと無いなんて言えるわけも無い。
とにかく、それっぽい名前を!と思った私は
「えっと……あれ…………ミュウ。」
ポケモンですからー。
ミュウって幻のポケモンですからー。
って、その時思ったよ。言いながらにして。
しまったー!シュート外したー!って。
PK外した駒野みたいな顔してたから私。
後輩も「え?」って顔してる。
でも、限りなく「はぁ?」に近い「え?」だ。
とにかく私は、この生理用品の話題を必死に変えたくて
「そういえば向井理が、できちゃった結婚したってー」って。
してないけど。
嘘だけど。
とにかく話題を変えるのに必死でね。
ごめんよ、理。
後輩も「うそー!初めて聞きましたー」って。
うん、私も初めて聞きましたーって、思った。
「やっぱ時代は桃李かなー」なんつって
二人で語ったあの時。
そんな私にも、いよいよナプキン着用のチャンスが、この春やってきた。
26歳にして、やっと初潮を迎えた私。
もうね、出るわ出るわ。
血が。
これでもかってくらい、出るの。
術後1カ月間くらいなんかは、特に大量。
それで、あんなに憧れていたナプキン使用の現実を知ったよね。
くさい。
もうね、ほんと、強烈。
術後直後は、血液とかリンパ液とか混ざりまくって、もうほんと。
男性諸君この匂いを嗅がせたら、一発でイ○ポにさせる自信があるくらい、くさい。
チーズ臭。
うん、私の股間でチーズが熟成されておる。
チーズっつっても、カマンベールとかモッツァレラとか、そーいうのじゃなくて。
ゴルゴンゾーラとか、そっち系ね。
ドラクエの呪文みたいな名前のやつ系ね。
もう、26歳のピュアな乙女(処女)の股間から絶対に出てはいけない匂いが出てるから。
大丈夫?
なんなら、ちょっとうちでフォンデュしてく?みたいな。
そんな術後1ヶ月間の、甘くない酸っぱいだけの思い出。
それでも術後2ヶ月目の今はかなり匂いも薄まったように思う。
血の量もかなり減った。
それでもナプキンは常時着用。
大人の女の階段登った気がする私。
ガラスの靴からサッカースパイクに履き替えて
今日こそシュート決めに行くぜ。
「ミュウツー!」ってね(違う)。
スマホの調子がすこぶる悪い
ピンクのボディが一目で気に入り、購入したスマートフォン。
生活を共にすること早2年。
もう、ね。
海外から帰ってきた途端、ずぅぅっと調子悪いの。
動きが、もうほんとカクカク。
もうカクカク度合いが半端じゃないの。
ロボットダンス選手権があったら、間違いなく優勝はウチの子だから。
そんでしょっちゅうフリーズする。
youtube見てても、すぐ止まる。
AKBの子、変なポーズで思いっきり白目むいてるから。
放送事故レベルで白目むいてるから。
早く再生再開してあげてー。フライングゲットさせてあげてー。
何か動きカクカクしてきたなーと思ったら
しばらくしたら調子良くなってスイスイ動いて
そしたらいきなり電源が落ちて
再起動させたら、誰も求めてないのにいきなり電卓を開いたり
もうね、スーパー情緒不安定。
どうした?何かあった?
ちょっとお姉さんに相談してごらん?
電波くんと上手くいってないの?
ううん、全然恥ずかしいことじゃないよ。
誰でもそういう時期、あるから。
君は一人じゃないんだよ。
私も一緒だから。うん。
ね。いつでも一緒だよ。
だから私も困ってんの。
ねぇ。ちょ、黙ってないでさ。あのさ
とりあえずちょっと、Google開こ?
みたいに、すんげー丁寧に対応してるわけですよ。
超物腰低くして。
Google先生に会わせて?って。
したら
「知り合いかも?共通の友達6人」
見事にFacebook開いてるから。勝手に。
キレのある勢いで開いたから。ドヤ顔で。
知り合いかも?じゃねぇよ。
知り合いだよ、しかも超嫌いな奴だよ。
音楽を聴いてても、ダメなのね。
「シーソー、シーソー、シーソーシーソーシーソーシーソー」
あれ?ミスチルってラップだったけ?ってくらい。怒涛のシーソー攻撃。
そのうち、親リスペクトとか言い出すんじゃないの?ってくらい見事に桜井さんがラップ刻んでる。
ただね、見た目は可愛いんですよ。うちの子。
発色の良いピンク色の体で、小柄で細身で、とってもキュート。
見た目の良さに惹かれたようなもんですよ。あの頃は可愛かったな。
それが今となっては、林家パー子ですよ。
もうね、何言ってるか全然分かんないの。
意志の疎通が取れないの。
お願いですから、言うこと聞いて。
ちょ、あの、勝手にスケジュール帳開くの止めてもらえませんか?
あの、アラームも止めてください。ほんと、近所迷惑なんで。
勝手にカメラアプリ起動させて、ポケットの中でずっと連写。
ずーっとパシャパシャいってるから、キャハハーっつって。
あぁ、ほらね。
アルバムの中が一面真っ黒だから。パー子さん。
もうね、暴走。
パー子大暴走。
エヴァ初号機もビックリの暴走っぷり
「うん。じゃあ、僕そろそろ帰るんで、使徒とかパァーっとやっちゃって下さい」って言っちゃうね、間違いなく。
オペレーターのマヤちゃんも
「パターンピンク!パー子です!」って確認しちゃうから。
さらにはウチのパー子、テンション上がりすぎちゃって
ここ数日で、電話が出来なくなったっちゃんだよね。
スマートフォンなのに電話が出来ないって、これってかなり致命傷なんじゃない?
一番大事じゃんそこ。
大事MANブラザーズバンドも言ってたよ。
それが一番大事って。
もはやただのスマートだよねそれ。
フォンの部分、機能してないから。
それでね
ついに買い替えを決意したわけで。
パー子も嫌いじゃないんだけど、電話も取り合ってくれないのは、さすがに ちょっと。
新製品のカタログを開き、吟味。
なるほど、何かカッコイイのが沢山あるのね。
これなんてよさそうじゃん。
GALAXY SⅢ
GALAXYシリーズの最新機種で、見た目もおしゃれで、スペックも良さげ。
いいぞ、いいぞ。
ウチのパー子なんかより、とても優秀な気がする。
キャッチコピーも
「人にやさしい GALAXY」
いいんじゃないの?
こんな台詞も、グッとくるじゃない。
クラーク博士あたりが、そんな感じのこと言ってなかったっけ?
「少年よ、大志を抱け。あと、人にやさしい GALAXY」
みたいな。言ってたよね。
というわけで、近々スマホを買い換えます。
さようなら、パー子。
そして、ありがとうパー子。
って、言ってるそばから勝手にシャッター切ってるパー子。
【術後4ヶ月19日目】Google検索2位になりました
お久しぶりです。
しばらく更新していなかったこのブログを、今日は色々書こうと思います。
いつもみたいな楽しい文章ではなく
少し真面目な話をするので、面白くないかもしれませんが、最後まで読んでもらえたら幸いです。
ずっと更新していなかったのには3つ理由があります。
一つ目は今年の5月に、私にとって大変悲しい出来事が起こりました。
何があったのかは、ここでは詳しく書きませんが
精神的に非常に不安定な日々が続き、ブログを更新する余裕がありませんでした。
今でも、それから本当に立ち直れたかは、微妙です。
よく分かりません。
それでも毎日は私の意思とは関係なく過ぎていくし、人は前を向かなければならない生き物なんだと思います。
更新していなかった理由の二つ目は、体調の悪化です。
この件に関してはまた別の記事で詳しく書きますが
患部の状態がとても悪くなってしまい、ダイレーションを行うことすら困難なくらい悪化してしまいました。
今ではかなり回復しましたが、一つ目の理由と重なって、こちらもかなり精神的に参ってしまいました。
三つ目の理由は、住む場所が変わりました。
東京に引っ越しです。
愛知県民だった私が上京をしたのです。
荷造りやら物件探しやらで、時間的余裕もありませんでした。
そんなこんなでブログの更新も全く行っていなかったのですが
最近、上京してきてたくさんの人達とお話する機会が増えました。
私と同じ性同一性障害者(GID)の方達とも会うことも多いです。
その中で驚いたのが
私が想像してる以上に、たくさんの方々がこのブログを読んで下さっているという事でした。
色々な場所で『さつきさんのブログ読んでます』と言って頂ける事が非常に多くてビックリしました。
初めは自分の記録用に書いていたこのブログ。
とても嬉しかったのが、多くの方々が『ブログを読んで勉強になった』と口にして下さることです。
性別適合手術は、最近ではよく耳にする事が多くなりましたが
その詳細な部分が、実は不明な点が多く
具体的にどのくらい痛いのか?
術後の経過や回復の度合いはどの程度なのか?
ダイレーションって、実際はどんな手順で行うのか?
またどれほどの痛みや手間があるのか?
そもそも病院ってどうやって選ぶのか?
そういった情報が、この日本ではまだまだ不足しているのです。
私ももちろん、自分が受けた術式の事しか書けませんし
術後の経過やダイレーションの具合なんかは個人差が大きいことも事実です。
それでも私は、私の手術の経験をブログで発信することで
同じ性同一性障害の方や、またそうでない方にも
少しでも多くの人に、この手術の実態を分かってもらえたらと思います。
このブログは
テレビなんかでは報道されないような
手術の痛々しい部分や、汚い部分
性別適合手術の『リアル』を隠さず発信します。
一通り読んでみて、もしかしたら
『私にはやっぱり手術は無理かも』と思ってしまうかもしれません。
性別適合手術は、本当に過酷です。
肉体的にも、精神的にも、普段では考えられないような負荷がかかります。
当然リスクもあります。
体調を万全にして
精神的に(恋愛や家族の支え)もベストコンディションにして
そうやって挑んでも、何度も人生投げ出したくなります。
性別適合手術を受けた者に自殺者が多い現実も、今の私なら納得できます。
そういったエグい部分も全部書いてあるこのブログを読んで
それでも『私は手術を受けたい!』という人達の
少しでも参考になれれば、私は幸せです。
Google検索で『性別適合手術』と検索すると
このブログが2番目に表示されるようになりました。
Wikipediaの次です。
それだけ沢山の方々に読まれていると思うと大変驚いているのですが
少しでも多くの方々に、感じて欲しい。
性同一性障害の人には是非
『私も手術を頑張る』と思って欲しいし
性同一性障害じゃないけど、このブログを読んで下さっている人は是非
『お前も手術頑張ってこいよ』
と、身近にいる性同一性障害の人を応援してあげて下さい。
このブログが少しでもそういう人達の役にたてたらな、と思います。
【術後4ヶ月19日目】
またまだ大変な日々は続くけれど
私はこの手術を受けて本当に良かったと
心からそう思います。
今後も引き続き更新していきますし
間が空いていた3ヶ月間の事も書いていきますので
宜しくお願い致します。
Android携帯からの投稿
私自身と、夢について
私には夢がある。
10年前から持ち続けている夢だ。
それは、私のような
「性同一性障害者がもっと住みやすい社会を作ること」だ。
もっと端的に言ってしまえば、世の中を変えたい。
そんな政治家みたいな大層で、人に言ったら笑われてしまうようなことが夢なんだ。
最近ではメディアに性同一性障害について頻繁に取り上げられるようになったし
そういった有名人やタレントも増えてきている。
少しずつではあるが世の中の流れは、私たち性同一性障害者に風向きが向いてきている。
だけども現実問題、差別や偏見はまだまだ根強い。
友人・知人・親の理解、就職問題、学校での扱い、公的機関の対応、恋人との付き合い方・・・
挙げればきりが無く、私たち性同一性障害者が生活するうえでメディアでは報道しないような泥臭い問題は山ほどある。
私もそんな問題に直面してきた人間の一人だ。
自分が「人と違う」と初めて気がついたのは幼稚園の時。
小さな社会で『男の子』として初めてカテゴライズされ
制服、席順、並び順、遊び方、その全てに男であることを求められた生活。
そんな生活はその先も、小学校に進もうが中学生になろうが、何年と送らなければいけなかった。
とても苦痛だったが、当時はまだ【性同一性障害】という概念が無く
オカマ汚い・気持ち悪い、の時代だった。
女の子への憧ればかりが日増しに大きくなっても
人と違うことが恐怖で、とにかく恐怖で
誰にも打ち明けられないまま、自分が何者なのかも分からないまま何年も苦痛の日々を送ってきた。
そしてTBSの金八先生というドラマで初めて世の中に「性同一性障害」という概念が広まった。
それは分かりやすく言うと「心と体の性別が一致しないこと」
あぁ、自分はコレなんだなと知った。
しかし当時はまだ今ほど情報がネットや社会に普及しておらず
じゃあどうすれば「女」になれるのか?が不明瞭のままだった。
手探りに情報を引っかき集めて、女性ホルモンを体内に取り込めば体を女性化出来ることが分かった。
しかしこの女性ホルモン
体を女性化させてくれる魔法のような効果が得られる一方、それに伴う副作用もとても大きなものだった。
この「女性ホルモン」については別の記事で詳しく書く予定なのでここでは簡単にしか書かないけれど
・投与半年程で不妊(つまりは無精子)
・一生飲み続けなければいけない体になる
・肝臓、腎臓への大きな負担
・睾丸の萎縮
・更年期障害のような症状も出始める
そしてなにより、【一度初めてしまったらもう二度と元には戻れない】ということもあり、自分の一生を決める覚悟が必要になる。
ネットで検索をしても、良いことよりも悪いことの方が何倍にも書かれている。
どう考えたって長生きできそうに無い。
しかし、あれこれ悩んでいるこの瞬間にも体は刻一刻と「大人の男」へ成長を続けている。
もし女性化を始めるのであれば、早いほうが良い。
しかし自分に、そんな事決められるのか?
一生薬に縛られるの?
子供は?
結婚は?親へはなんて言う?
就職だってどうする?まともな就職先があるとは思えない。
みんなに気持ち悪がられるかもしれない生活、そんなの耐えられる?
いつまでも解決しない疑問ばかりが頭に浮かんではぐるぐる脳内を巡る毎日。
そんな私が悩んでいる横で、どの部活動に入部するか悩んでる同級生達の姿が羨ましくさえ感じた。
とにかく辛かった。
辛かったけど、だれにも相談できないし、誰も助けてなんかくれない。
そもそも女性ホルモンを投与しても、性別適合手術を受けようとも、子供を産めるようになるわけでは無い。
それでも「女」と言えるのか?
そんな自分を、誰が愛してくれるのか?
それでもどうしても、「オジサンになった男の自分」になることだけは耐えられそうになかった。
例え皆に気持ち悪がられてもいいから、男として人生を終えることだけは避けたかった。
だから私は、消去法で体の女性化を始めたのだ。
決して前向きな気持ちなんかじゃない。
ただ、もがいて あがいて苦しんで、わらにもすがる思いで女性ホルモンの投与を始めた。
ただ先にも言ったように当時は情報も少なく、今では考えられないが未成年でもホルモン注射を行ってくれる闇医者のような所に、法外な料金を支払い注射をしてもらった。
今思えば、投与量も適当だったのだろう。
初めて注射を打ったその日は、気分が悪くなり何度か吐いて、夕食の時間より前に眠ってしまった。
とにかく情報が無かった。
大切なことは、情報なんだとその時に知った。
この気持ちが、私が今このブログを更新している原点かもしれない。
後々は病院も変えたが、その後もコツコツとホルモン注射を続け
良くも悪くも、様々な変化が身に起こることになる。
しばらくしてから大学に入学、そして卒業、就職。
私の場合は運良く、女性社員として採用してくれる広告代理店を見つけることが出来た。
そして女性としての生活を送り、現在に至る。
このブログを更新してはいるが、実生活では私が『元・男性』だと知らない人も多い。
今の私しか知らない人は、何の苦労も無く今の生活を手に入れたと思う人もいるかもしれないけれど
私にも昔はオカマといじめられたり、親に不気味がられたりした時代もあった。
子供が産めない現実に涙を流すこともあったし、そんな自分の体を恋人に負い目に感じた事もある。
だけど今は、ここまで頑張ってきて良かったと思える。
心底そう思える。
普通の人とは違う生き方だけど、だからこそ得られたものもある。
性別適合手術を受けると、本当に気分が変わる。
晴々する。
私は以前、いや もしかしたら手術直前まで『手術なんてしても、外見が変わるわけでもないし、大した意味無いじゃん』って思ってた人だ。
確かにそうかもしれない。
外見に関しては何も変わるわけでは無いので、別の努力が必要だ。
術後のダイレーションだって予想以上にとんでもなく過酷で、文字通り血がにじむような試練を毎日繰り返さなければならない
だけど、手術を終え、それも乗り越え
今までずっと自分を苦しめ、なかば諦めかけていた『アレ』が無くなるというのは
想像以上に気持ちが前向きになる。
これは同じ手術を受けた友達が皆、同じようなことを口にする。
『子供が産めない時点で女じゃない』
そう言ってくる人もいるかもしれない。
だけど信じて欲しい。
この手術を受けた後は、少なくとも以前の自分よりは確実に女に近づけるし
人になんと言われようと、何より自分は女だという自信が持てる。
私は性同一性障害
だけど今、私は幸せです。
私達、性同一性障害者に対する差別や偏見は、まだまだ根強い。
何も悪いことをしていなくても、後ろ指をさされてしまう。
でも一度、考えて欲しい。
そんな世の中を一体誰が変えてくれるの?
私達、性同一性障害者が立ち上がらなければ、何も変わらない。
世間は無条件に手を差し伸べてくれるほど甘くはない。
いつだって、男が女に変わることは甘いことじゃないんだよ。
私は、同じ悩みを抱えた仲間や
それこそ今ランドセルを背負っている性同一性障害の子達が
もっと住みやすい世の中を作りたい。
それが私の夢なんだ。
話を最初に戻すと
そんな夢を持ち続け、自分に何が出来るのか?と最近ずっと考えてました
そこでこのブログのことを思いつきました。
性別適合手術について記載したこのブログ
私の体験が綴られたこのブログが沢山の人に必要とされてることが、とても嬉しく感じます。
そこで、例えば私と同じ手術を受けたい人のサポートなど
私と同じような悩みや問題を抱えている人を助けるお手伝いが出来るお仕事を始めます。
【病院選びについて】国内・海外(タイ)のメリット デメリット
こんにちは。
今日は皆さんに【病院選び】についてお話したいと思います。
※今回お話しする内容は、あくまで私個人の見解であり、この意見が絶対に正しいというものではありません。
また、各国にある様々な病院、または手術方法を否定する意思はありませんので、その点をご了承下さい。
この病院選び。
この選択によって、私たち患者の一生を左右するといっても過言ではありません。
まずはじめに、性転換手術(現在では性別適合手術と言われるのが一般的です)が
一体どこで行われているのか。
現在日本人に人気があるのが、日本国内の病院と、タイの病院です。
実際にはアメリカ・スペイン、ひと昔前はモロッコなど、世界各国で行われているのですが
今回は「日本」「タイ」このふたつについてお話したいと思います。
まず私が悩んだ最初のポイントは手術を【日本国内で受けるのか】【タイで受けるのか】で悩みました。
おそらくこのブログを読んで下さっている方の中にも、同じポイントで悩まれている方は多いのではないでしょうか?
そこで各メリット・デメリットを書きたいと思います。
(※あくまで私個人の見解です)
【日本国内での手術の場合】
~メリット~
・言葉の問題が無く、医者との意思疎通がスムーズに行える安心感
・長期休暇を取ることが難しい場合でも、術後も通院という形で対応できるため、スケジュール調節が行いやすい
・外性器の形状の形成はできるので、性交渉を望まない場合は手軽である
・術後のアフターケアに関して、比較的容易に足を運ぶことが可能である
~デメリット~
・技術的に歴史の浅い病院が多く、術式も発展段階のため技術面で不安がある
・神経の接続まで行わない術式も多く、快感が得られない場合がある
・手術費用が高額
・予約を取るまでに時間がかかる所が多い(なかには1年以上先なんて話も)
【タイでの手術の場合】
~メリット~
・歴史的に長い病院が多数存在しているため、世界中から手術を受けにくる患者が多く、技術面での安心感が強い(現在タイは世界で一番多く手術を行っていることで有名)
・神経や機能を重視している術式の場合は、回復後に十分な快感が得られる
・反転法、S字結腸法、反転法と皮膚移植のミックス法、外性器を二度に分けて行う手術など、バリエーションに富んでいる
・内部、外見ともに高い満足感を得られる(但し、皮膚や体質による個人差も大きい)
・費用はピンきりで、安いところでは70万ぐらいから。
・病院によっては最短2ヵ月後に予約が取れる(私がそうでした)
~デメリット~
・言葉の壁がある(但しそれほどの英語力が無くても私の場合は問題ありませんでした)
・術後経過観察も含め3週間程の度航期間が必要
・帰国後、万が一患部に不具合がでた場合、再度タイへ渡航する場合もある
・国内の医療機関では術後の処置を拒否されることもある(但し日本国内でも診察を行ってくれる病院はあります)
ざっとこんな感じです。
もしここに記載されていないメリット、デメリットがありましたらメッセージ等でお知らせ下さい。
随時更新していきます。
さて、今ここに書いてお分かりのように
日本国内で行う手術も、タイで行う手術も、どちらも一長一短です。
次のブログでお話しする予定の【手術方式(反転法・S字結腸法 etc)】にも同じ事が言えますが
『この病院で、この術式で行えば全てオッケー。パーフェクト!』なんてものは残念ながら存在しません。
手術を受けるにあたって【自分が何を優先しているのか?】を考えてみて下さい。
・手術の上手さを優先したい
・実績の多い病院がいい
・入院期間が短い方がいい
・とにかく費用を押さえたい
・安全面を考慮したい
・手術後のフォローが手軽な方が良い
この様に、何を優先させたいかによって
国内か、もしくはタイの方が良いのかという判断基準は変わってきます。
私の場合は、とにかく【技術面】を一番に優先して病院を探しました。
様々な情報を検討し、技術面やその他の要因がもっとも自分にあっていると思った病院に決めました。
そして次に大事なのは【術式選び】です。
現在大きく分けて次の二つの術式が、性転換手術では主流です。
・陰茎反転法
・S字結腸法
一見よく似ているこの二つの術式ですが
内部の構造や、使用する皮膚の場所など、全く違うものになります。
当然これにも、どちらが優れているというものはなく
メリット・デメリットが各々存在します。
これに関しては少し長くなってしまったので、次の記事に分けて書きたいと思います。
【様々な手術方法の説明】陰茎反転法・S字結腸法など
今回は性別適合手術・性転換手術の術式についてお伝えしたいと思います。
まず一概に性別適合手術といっても、実はその種類は一つでは無いのです。
1・陰茎反転法
2・S字結腸法
3・その他の術式
4・造膣無しの手術法
まず分かりやすい4の「造膣無しの手術法」について解説をします。
現在日本の法律では、ある一定の条件を満たせば戸籍上の性別変更が可能です(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律)
条件は以下の通りで
・二十歳以上であること。
・現に婚姻をしていないこと。
・現に未成年の子がいないこと。
・生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
・その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
少し難しい言葉で色々と書かれていますが、一番最後の部分
この部分を簡単に表現するとつまりは性別適合手術を受けていることというのが条件になります。
しかしこの法律、よく見てみるとあくまで外観を備えていることが条件であるため
実際に性行為が可能な膣の有無は問われていないのです。
よって、戸籍変更をしたい・ペニスを除去したいけれど
性行為は望んでいない、または術後のダイレーションはやりたくない、といった場合は
この4の手術法が最も最適といえます。
しかし、やはり性行為が行なえる膣を手に入れたい
そういった場合は上記の1・2または3の手術を選択しなければなりません。
まずどの手術にも共通していえることはダイレーションは必ず行なわねばなりません。
ダイレーションとは、造った膣が塞がらないようにするために定期的に行なう拡張作業のことです。
※ダイレーションの手順については別の日記に詳しく記載してあります→コチラ(術後11日目ダイレーションの手順)
ピアスの穴を想像してみて下さい。
ものすごく簡単に表現するとアレと一緒です。
せっかく膣を作ったとしても、残念ながら私たちの体はそれを「傷口」と認識してしまい、治そうとします。
つまりは傷口を塞ぐのです。
せっかく手術して造った膣が塞がってしまっては意味が無いですよね。
そうならないためにも専用の器具を使用し、定期的に膣にそれを突っ込んで塞がらないようにケアし
穴の大きさが固定されるように努めます。
ちなみにこのダイレーション、どの手術法を選択しても術後3ヶ月頃までは毎日(1日2~3回 所要時間1時間~2時間)行なう必要があります。
もちろんその後も、回数は減ってもずっと続けなければいけません。
痛みに関しては個人差がありますが
「痛いけど我慢できる」人もいれば
「激痛すぎて毎回涙が出る」人まで様々ですが
全員に共通するのは「痛い」ということです。
ダイレーションが全く痛く無い人もまれにいますが、本当にまれです。
とりあえず痛いは痛いです。
さて前置きが長くなりましたが
手術法の説明に移りましょう。
~陰茎反転法~
[手術概要]
陰茎陰嚢皮弁反転法とも呼ばれ、広く普及している術式です。
この手術法の特徴は、陰茎を再利用して膣を形成するということです。
睾丸摘出手術を済ませていない方に適しています。
1.陰嚢と肛門の間に膣を形成する空間を作成
2.陰嚢内の睾丸を摘出
3.陰茎の皮膚を剥離
4.陰茎海綿体と尿道海綿体に分離
5.陰茎海綿体の亀頭部1/3程度を陰核として使用するために残す
6.尿道として利用する部分を残し尿道海綿体を切断
7.陰茎と陰嚢の皮膚を膣を形成する空間に反転させ膣を形成
8.陰嚢部の組織を利用し小陰唇などの外性器を形成
何だか難しい言葉が沢山並びましたが、分かりやすく説明すると
まず、体に穴を開けます。イメージとしては睾丸と肛門の間くらい。
次に睾丸を摘出します。
そしてペニスを削ぎ落とします。
男性陣大丈夫ですか?画面の前で「おーイテテテ…」ってなってませんか?
続けます。
性別適合手術というと、ペニスをハサミで横にチョキーンと切り離すイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、この手術法は違います。
根元の一部は体から切り離さずに、残したままです。
そして繋がっているペニスを先ほど作った穴に向かってグルンと中に入れます。
そうやって膣の内部の内張り。
亀頭の部分はクリトリスとして再利用。
小陰唇(つまりはビラビラ)用に確保しておいたペニスでそれを形成。
陰茎反転法をざっくり説明するとこんな感じです。
男性陣大丈夫ですか?顔が青いですよ。
さて、次の説明に移りましょう。
~S字結腸法~
[手術概要]
ホルモン投与を長期間続けている方、睾丸摘出手術を受けている方で
陰茎の長さや陰嚢の皮膚が不足していて反転法での膣形成が 難しい方に適用される手術方式です。
1.下腹部を切開し、S状結腸を10数cm切除して摘出
2.陰嚢と肛門の間に膣を形成する空間を作成
3.陰茎の皮膚を剥離(陰嚢と睾丸が残っている場合は切除)
4.陰茎海綿体と尿道海綿体に分離
5.陰茎海綿体の亀頭部1/3程度を陰核とするために残す
6.尿道として利用する部分を残し尿道海綿体を切断
7.作成した空間に摘出したS状結腸で新しい膣を形成
8.陰嚢部の組織を利用し小陰唇などの外性器を形成
そもそもS字結腸って何?と思われる方も多いかもしれません。
私も性別適合手術について調べるまで知りませんでした。
S字結腸とは、大腸の主要部分である結腸の末端にあたる部分。
腹部の左側にある下行結腸に続き、S字型にカーブしながら直腸へつながっています。
そして、S字結腸は完全に腹膜に包まれていて
便がメチャクチャ溜まりやすい場所でもあります。
反転法がペニスを再利用して膣の内部を形成するのに対し
結腸法の場合は、S字結腸自体を膣そのものとして再利用します。
その他の細かな違いはありますが、大きな違いはこの一点です。
さてさて、今説明したこの2つの手術法ですが
各手術法のメリット・デメリットについて説明しようと思います。
~陰茎反転法のメリット~
・結腸法に比べ、金額が多少安い
・結腸法に比べ、S字結腸を取り出す手間が無い分体への負担が少ない
・結腸法に比べ、膣内部のニオイが少ない(ニオイが無い、と説明しているサイトが多いですが、多少はあります。ただし普通の女性レベルなので清潔にしていれば問題ありません)
・結腸法に比べ、陰茎を再利用しているため膣内部の性感が強い
・陰茎を利用しているという性質上、膣内部の伸縮性がある
・万が一膣が塞がってしまった場合でも、S字結腸手術で再度造膣が可能(ただし体の負担が大きいためオススメはしません)
~陰茎反転法のデメリット~
・陰茎の長さや、睾丸の収縮状況によっては十分な深さの膣が作れない場合がある
・結腸法に比べ、ダイレーションの頻度や痛みが重い
・微量に濡れることはあるが、ほぼ濡れない事が多い
続いては、S字結腸法についてです。
~S字結腸法のメリット~
・反転法に比べ、ペニスの長さ・睾丸の萎縮具合に関係なく十分な膣の深さが得られる
・反転法に比べ、もともと筒状の腸を膣としてあてがうのでダイレーションのメニューが軽い
・反転法に比べ、腸液が膣内部に分泌されるため濡れる(ただし性交に十分な量では無いことも多い)
~S字結腸のデメリット~
・反転法に比べ、料金が高い
・反転法に比べ、腸を取り出す手術工程が増えるため体への負担が大きく、またお腹に傷跡が残る(10センチ程度)
・反転法に比べ、腸を再利用しているためニオイが強い(ただし一生では無い)
・反転法に比べ、腸にはもともと性感が無いため膣内部の性感が弱い
・腸を利用しているという性質上、様々なものを吸収してしまうため病気へのリスクが若干高い
次に、各手術法の共通点についてまとめます
~陰茎反転法・S字結腸法の共通点~
・メニューの重さに違いはあれど、ダイレーションはしなければならない
・性交時には潤滑油(ローション)が必要
・クリトリスに関しては同じ方法で作るので、クリトリスの性感は同じ
・どちらの手術も子供が産めるようにはならない
このようにどちらの手術法にもメリット・デメリットがあります。
必ずしもどちらが優れているというつもりもありませんし、それは個人で判断して頂けたらと思います。
最近のインターネットや人づての情報で
「反転法の方が主流だ」とか
「最近ではS字結腸法の方を進める病院が増えてきている」だとか
様々な声が聞こえてきますが、それをここで検討するのは控えさせて頂きますね。
私の場合、手術法を決めるにあたって考えていたのが
「ダイレーションがきつくてもいいから、とにかく性感が強いほう!」
ダイレーションならめちゃ頑張るからさぁぁ!
ほんと、感度だけは!感度だけは!!
そこんとこ宜しくドクターッ!!
って。
すみませんね、身もふたもなくて。
なので陰茎反転法を選択しようかと考えました。
いや、他にもニオイだったり傷跡が少ないだとか様々な要因はあったのですが。
しかし
10年近くに及ぶホルモン治療の影響で、陰茎の萎縮が進んでしまっていて
通常の陰茎反転法では十分な膣の深さが得られないことが判明しました。
ただ、どうしても諦めきれなかった私は、様々な情報を集めて調べて、なんとかならないかと模索しました。
海外のサイトも調べました。
そこで、ある一つの病院にたどり着きます。
そこでは通常の陰茎反転法と違い、陰茎反転法+αとでも言いましょうか
陰茎のだけでは足りない皮膚を、別の部分からも補い十分な膣の深さを確保する手術法でした。
しかも性器の外観もかなり精巧に仕上げてくれる手術法だったので、そこに決めました。
おかげで、術後10ヶ月経った今では膣に十分な性感がありますし、またオーガズムも得られます。
少し文章が長くなってしまったので、次のブログに分けて書きたいと思います。
【術後721日目】すべてのまとめ
こんにちは、お久しぶりです。
今月で手術を受けて二年が経とうとしています。
今日は体の事だったり、心境の変化だったりを、思い付くままにお話ししようと思います。
患部の状態については、術後二年経ちましたがものすごく健康です。
特に大きな問題も無く、腫れも完全にひいて
ダイレーションはそうですねぇ……月に二回ぐらいしかしてないかもしれません。
本当は週に一度はしなくてはいけないんですけど、ほら人間って慣れてくると、そんな感じになっちゃうでしょ?
それでも特に問題なく大丈夫みたいです。
何かSRSって、慣れてない体を急に渡されて最初はあたふたするんです。
ダイレーターがいつもより数ミリ進まなくて焦ったり、ちょっと血が出たら大騒ぎしたり
あれ?これは何だろう、あれは何だろう、大丈夫かな、いや大丈夫じゃないかもしれない……。
当然だと思います。
全く未知の体を自分に与えられて、ちょっとした変化にすらビクビクしちゃう。
それでも毎日毎日そんなことを繰り返していくと、だんだんとコツみたいなのも分かってきて
『あー、このくらいの血なら大丈夫』とか
『あー、前もこんなことあったし焦らなくても平気』とか
何か気持ちもだんだんドシっと構えられるようになりますね、まるで子育てしてるお母さんのような。
でもこの心境って適当になってるわけじゃなくて、毎日毎日真剣にそれと向き合ってぶつかって、そこから得られた知識や経験があるから、焦らず構えられていられるんだなって。
体の事はもう大丈夫です。
もう大丈夫、って堂々と人に言える程になりました。
この先まだまだ人生は長い。
この体とその長い人生を一緒に歩んでいかなきゃいけないわけで、多少の不安はありますけど、きっと大丈夫だと思います。
きっと大丈夫。
そう思えるようになったのにはいくつか理由があります。
それは体の変化もそうですけど、一番は心境の変化ですね。
このブログを立ち上げた二年前から、あまりに多くの事を経験しすぎて、上手く説明出切るか、伝えられるか分かりませんが言葉にしようと思います。
手術を受けた二年前と、じゃあ何が変わったのかと考えると
まず体が変わりました、これは当然ですね。
次に住むところも変わりました、東京です。
そして仕事も変わりました。別の日記で改めて書きますが、芸能関係やイベント関係のお仕事をしています。
そうすると毎日関わってくる人も変わりました。色んな人がいます。
少し昔の話をさせて下さい。
私は昔、自分の人生をゴミクズのように思ってました。
男として生まれて、男として育てられて、何かパッとするわけでも無く、地味で、控え目で、真面目にすることしか取り柄が無くて、特に大きな才能も無く、かといって不良になれるほどの度胸も無く、中途半端で、優柔不断で、いつも逃げ腰で
周りの同級生と比べると恥ずかしくなるほど没個性で普通な人間。
自分には何も無い。
何か掴まなくちゃ。でも何を?
『何か』にならなくちゃいけない、と。
それが私でした。中学生の時が特にそんな感じ。思春期ってやつね。
次に高校生の時、たしか16歳の時だったかな。
体の性別と心の性別の不一致の問題に直面しだして、焦るんです。
あれ、これ何かヤバイぞ?あれ?って。
自分は没個性に悩んでたくらい普通の人間だったのに、いざ性同一性障害なんて難題を突き付けられて、焦っちゃうんです。
だってそりゃ焦るでしょ。根は真面目で控え目な私なんだもん。
自分の人生にまさか『性別を変える』なんて発想がそもそも無かった。
今と違ってそんな時代でも無かったし。
16歳だよ?みんなが部活やバラエティ番組の話で盛り上がっているなか、自分一人だけ全然別の事を考えなくちゃいけないの。
悩みの大きさなんて人それぞれ違うし、人と比べる事なんかじゃないって今なら分かるけど
当時の私はそれが理解出来なかった。
毎日楽しそうに過ごしている同級生を見てると、怒りさえ込み上げてきた。
みんなお気楽でいいね、幸せなんでしょ?
自分一人だけ理不尽だよね、って。
そこからどんどん変わっていった。
友達が離れていくようになった。
自分でも、自分の性格が悪くなっていくのを感じてた。でも止められなかった。
今思えば余裕が無かった。
そうなってくると、もう負のループ。
親とも仲が悪くなって、家でも学校でも居場所が無くて。
勉強どころじゃ無かったですね。
中学生まで成績はそこそこ優秀な方だったんですけど(勉強くらいしか他に何も才能が無かったので)
その唯一何とかやってた勉強も、高校になった時にガタ落ち。
学年で下から何番目、みたいな成績状況になってしまった。
そうなると親にも怒られるわ、先生にも見離されるわ、あれ?って。
真面目だけが取り柄の私が、なんでこんな事になってるの?って。
周りを見渡しても友達もほとんどいないし、こうなったのは誰のせい?
本当は自分のせいなんですけどね。
でも人間って弱いから、自分以外の何かのせいにしたくなるんですよ。
これは、この体が悪いんだ。
この体さえ無ければ!!!って。
そして実家を飛び出して、誰にも言わずにホルモン治療を始めたの。正直今思えば勢いだった。
未成年でも注射してくれるような闇医者を探してね。
そこからですね、性別葛藤の長い長い戦いが始まったのが。
人間って、孤独になると何かに依存するんですよ。
それが恋愛に依存するのか、アルコールなのかギャンブルなのか、リストカットなのか、セックスなのかタトゥーなのか、またそれ以外の何かなのかは分からないけど。
自分の心に空いた穴を埋めるために必要以上に依存する。
独りが怖くて、何でもいいから何かにしがみつくの。
私は独りじゃないよって、生きているんだよって。
それが自分の全てなんだと勘違いしてしまう。
そして不思議なもので、そうやって何かに依存したり中毒になってる間って、きっと落ちていく自分が逆に気持ちよかったりするんですよ。分かるかな。
そうなるともう止まらない。
可哀想な自分が大好きモード。
それが気持ち良くてたまらないのね。
そうやって私も性別の渦にどんどん落ちていった。
毎日毎日ヘドが出そうになるような暗い気持ちが際限無く心の奥からわいてきて、ウジ虫みたいに全身を這いずりまわってくるの。
当時の私に、今の私の周りにいるような仲間がいれば違ったかもしれない。
でも一人だった。孤独だった。
ずっとずっと孤独で、それがどうしようもなく怖くて怖くて。どれだけ泣いても何も解決されなくて。
自分と同じ境遇の人もいないし、ましてやこんな自分を好いてくれる人なんて誰一人いないだろうって。
ただそれが一番怖かった。
孤独ってどんな凶器よりも恐ろしい。
誰か助けて、って叫んでた。最初はね。
それが段々と、早く楽にして下さい、って思うようになる。死ぬことね。
もうこんなに孤独で怖い思いをするなら、いっその事自分で死んでしまおうと思った。人生で二回ほど。
今思えばどっちも死ぬほどの事じゃなかったけど、当時の私にはそれが分からないの。
もっと外の世界を見ていなかったのかもしれませんね。
そして、しばらくしてから転機が来ます。
女性としての社会人です。
どうにか自分の人生を模索していた私は
女性社員として社会人と認められれば、今の私の気持ちが軽くなるんじゃないだろうか、と考えたの。
たまたま求人を出していた広告代理店に面接に行ったんですよ。
メイクして、スカート履いて。
どうせ採用なんてされないだろうと思って、面接時に正直に体の事もお話しました。
また体や性別の事を根掘り葉掘り聞かれたあげく、面白がられて不採用かぁ、なんて考えたんですけど
意外にもその面接では、体の事はほぼ聞かれずに、もっとごく普通の私生活や学生時代の事が質問の中心でした。
今思えば、体の事よりも、私の人間性を観察してたのかもしれませんね。
どうゆう訳か採用になって、私も自分でも驚いてたんですけど、採用されたからには働くしかないって思って。
それはもうテンションが上がりましたね。
だって女性として社会人なんて、それだけでもう夢のようだ!って。
甘かったね。
何が一番いけなかったか、って
それまで散々、自分が一番可哀想だの、こんな体のせいだの
そんな生き方をずっとしてきたから、もう全てにおいて逃げ癖がついてたんですよ。甘ったれてた。
何か問題が起きると
私は悪くない、何で私ばっかり、あの人は良いよね、やってられない、もーやめよ。
そんなのは、子供うちは通っても、大人の社会で通用するわけが無いんですよね。
私は、自分の性別の事にとらわれすぎてて、人間として全く成長できてなかったことに、そこで初めて気が付きました。
性別の事で頭がいっぱいで、それ以外の事を何も考えてなかったんですよ。からっぽ。
結構ハードな職場だったので、普通の人ならここで辞めるという選択肢があるのかもしれませんが、この体で他の職場のあても無い私はしがみつくしかなかった。
営業だったので、契約取れないと毎日上司に怒鳴られるし、顧客もいい人ばかりではないし、それでも仕事は終わらないし眠れないし休みも無いし。
一時期スマホの着信音を聴くだけで胃が痛くなってしまって困りました。軽いノイローゼだったのかも。
女性社会人として立派に働いているということで、初めて母親にカミングアウトしたのもその頃です。
その頃でも母親との関係はあまりよくありませんでした。
結構長い間音信不通でしたから、しょうがないかもしれません。
初めてカミングアウトした感想は『ここまで変えちゃってるから、しぶしぶ認めざるおえない』って印象。
それでもその後に『男に戻る気は無いのか』って何度も聞かれるのが辛かった。
何が辛いって、母親に悲しい思いをさせているのが自分って事が罪悪感でした。
いや、勝手に体を変えたのは私なんだからしょうがないんですけど。
親戚や近所に言えないわ、って泣くの。
あいつは病気だ、って家族に陰でささやかれて。
それでも、分かっていたけど母親の悲しむ顔ってやっぱり心にザクザク刺さるのよね。
その時ぐらいからかな、母親が胸張れるためにもっと世間に認められようって考え始めたのは。
今の仕事における原動力の一つかもしれない。
そして性転換。
性転換の決断って、ある意味プロポーズみたいなものでさ。
どちらかと言うと、女性ホルモン治療をする!って決断の方がドキドキしたし、勇気いりましたね。恋愛で言うと告白みたいなもの。
それと比べて、性転換はある意味ケジメだったり、自分の体への約束みたいなものかな。
一生この体と付き合って生涯を共にするっていう決断。これが手に入らなかったら死んでもいいって思えたね。
自分の性別については、最近はあまり深く考えないようになりました。
女になりたいと思って突っ走ってきたし、今でもメイクやファッションも大好き。
それでも男として生まれた過去は消せないし、今でも私の事を男して見る人もいるかもしれません。
ただもう自分にも相手にも嘘をつくのが疲れたんです。隠して生きるのに疲れたんです。
嘘をつくのって簡単なんだけど、後からボディーブローのようにジワジワと精神がやられてくる。それにもう疲れた。
女として見てくれたら嬉しいな、とは思いますけど、でもそれって相手に強制するものじゃないと思うんですよね。
私は女になるために、こんなに努力をして、こんなに痛い思いをして、どうして認めてくれないの、どうして気味悪がるの?って
そう強く思っていた時期もあったけど、何て言うか
それ以上に一人の人間として魅力を感じてもらえたら嬉しい。
結局人間、みんなそんなに暇じゃないんですよ。
私の事を細かく考えている時間も無いわけ。
それぞれに仕事があって、悩みがあって、恋人がいて、家族がいて。
みんな自分が生きるのに必死で、泣いて、笑って、喜んで、生きてる。
他人の事なんか考えている余裕が無い人だって大勢いる世の中。
こんなに大勢の人が住んでいる世の中で、私一人がピーピー叫ぶのも、何だか滑稽に思えてきてね。
だから私はもういいんです。自分の一番欲しかった体がやっと手に入ったから、もういいんです。
それだけで、もう充分幸せなんです。
それに今は仲間がいます。東京に来てから同じ体で同じ悩みを抱えた、ある意味戦友のような同志に沢山出逢えました。
私はそんな彼女達の、特にこれからきっと沢山悩んで辛い思いをするであろう、まだ幼い年代の子達に少しでも、私が経験したような孤独な気持ちにさせないようにと
そういった差別や偏見が少しでも無くなる世の中になればいいな、って心から願っています。
そういった気持ちで、二年前からこのブログを更新しているのかもしれません。
私が特に、性転換の情報不足で悩んでいたから。
今思えば、あの臆病で怖がりで中途半端で優柔不断な幼い私が、よくもここまで思い切って性別を変えて生活しているなぁと、改めてよく驚きます。人生って分からない。
中学時代、思春期真っ盛りの自分が『何かにならなくちゃ』とずっと悩んでいたけれど
ここにきてようやく『自分』になれたのかもしれません。
長かった思春期がようやく終わって、やっと大人になれたのかなって、恥ずかしいですけど今更ながらそう思います。
なので最近はすごく気持ちが穏やかです。
人間なので、多少落ち込んだりもするけれど、まぁ何とかやっています。
家族とも仲良くやっています。
毎日美味しいご飯が食べられて、暖かいお布団で寝れて。
たまに気の合う人と会って一緒に時間を過ごしたり、笑ったり、はしゃいだり。
そんな当たり前の日常。
それがあるだけで、本当はもう充分に幸せだったんだなって。
気付かされました。
幸せって、気付くことなんだって。
今の私は、だいたいこんな感じです。
長い文章を最後まで読んでくれて、ありがとう。
今後もまた、何かあればこのブログを更新するかもしれません。
しないかも、しれません。
未来の事なんて分からないから、断言は出来ないですが
人生なんてそんなものでしょ。
なるようにしかならないもの。
だからこそ、刺激に満ちてて楽しいの。
Twitterやその他のSNSやブログは、引き続き更新していきます。
その辺りの情報は、また後日こちらにアップしますね。
それでは、今日のところはさようなら。
ありがとうございました。
さつき
今の私(追記)
追記
今の私の活動記録は、TwitterやFacebookが中心になってます。
Twitter
Facebook
Instagram
アメブロさんの芸能人公式ブログ始めました
http://ameblo.jp/satsukipon/
今後の更新はこれらが中心になると思います。
最近色々仕事を頂くので、頑張ってます。芸能のお仕事や、イベントのお仕事なんかも
あ、たまに執筆なんかもしてます。
このブログのその後を書いてあったりします。
http://www.2chopo.com/writer/detail?id=55
良かったらGoogleで『さつきぽん』と調べてみて下さいね。
沢山の人に読んで頂き、嬉しいです。
ありがとうございます。
本気で女の子になりたい方の為の「乙女塾」設立しました
お久しぶりです。
ちょっと告知をさせて下さい。
実はこの度
「本気で女の子になりたいGIDさん、女装さんの為の10名限定女性化レッスン」
【乙女塾】というものを設立しました。
http://www.satsukipon.com/#!blank-1/xmq4x




本気で女の子になりたい。
そういう方が日本中に沢山いるんだなぁと、このブログを通して強く感じました。
そういった方達を応援したい、支えたいという強い気持ちから今回、乙女塾の設立に至りました。
「女の子の姿で外出をした事が無い」
「まだ一度もメイクをした事が無い」という初心者の方も多いです。
そういった方達でも参加しやすいように、メイク用品、ウイッグレンタルサービスもありますので安心してご参加下さい。
基本的な流れとしては
1・男女差の学術的な解説(乙女ロジック)


2・普通の女性とは違うクラフトメイクの実践


※メイク用品はレンタル可能です
3・プロカメラマンによるスタジオ撮影

※ポーズレッスン有ります
(参加されるほとんどの方がスタジオ撮影未経験者です)

参加者は、中学生〜60代までと非常に幅が広く
また愛知、岐阜、奈良、福島、など遠方からのご参加も多いです。
「女の子になってみたかったけれど、きっかけが無い」
「専門的な知識が欲しい」
「同じ悩みを抱えた仲間が欲しい」
「綺麗な写真を撮って欲しい」
など、いろいろな目的を持って皆さん参加して下さっています。
もし今このブログを読んでいて、女の子になってみたいという方がいらっしゃれば
ぜひ一度、足を運んでみて下さい!
次回開催は7月30日を予定しています。
ご予約は、こちらからです。↓↓
http://www.satsukipon.com/#!blank-1/xmq4x

皆さんのご参加、お待ちしています!

【術後24日目③】帰国前夜に
今クリニックの前にいる。
みんなどんどんいなくなってしまって
夜に一人でなんか、ゴキブリだらけだし、野良犬も多いし、怖いから普段は絶対に出歩かないんだけど
クリニックの前まできて、涙がたくさん溢れてきました。
色んな事があった一ヶ月間でした。
手術の激痛や、水ですら吐いてしまう辛さや
沢山の仲間達や、色んな思い出
本当に、今まで経験したことないような気持ちや感覚が
たくさん、たくさん
今、涙となって溢れています。
本当に、よく頑張ったと
少しだけ、自分の事が誇らしいです。
【術後26日目①】帰国しました
長いような
短いような
本当に沢山のことがあった旅だった。
そして昨日、無事に帰国。
ゆっくり休む間もなく、部屋に着くなりダイレーション。
飛行機に乗っていたため、前回のダイレーションとの間隔が空きすぎていたためか、激痛。
普通なら1時間前後で終わるこの作業も、昨日は2時間30分もかかってしまった。
それを終えて、深夜にやっと夕食。
日本食がととも、美味しかった。
感覚と時間、生活リスムのズレや、ダイレーションの場所の確保、荷物の片付けなどなど
帰国してもまだバタバタしているが
このブログは更新し続けていきます。
ダイレーションの変化や
それから、タイに滞在中には色々な面を考慮して明かせなかった
【病院名】や【具体的な術式内容】などを
公開していくので、どうか宜しくお願いします。
あと、たまに書くふざけた雑記なんかも
読んでもらえると、私は嬉しくて
むへっ、って変な声で笑います。
では、ダイレーションに行って参る。
【術後26日目①】帰国しました
長いような
短いような
本当に沢山のことがあった旅だった。
そして昨日、無事に帰国。
ゆっくり休む間もなく、部屋に着くなりダイレーション。
飛行機に乗っていたため、前回のダイレーションとの間隔が空きすぎていたためか、激痛。
普通なら1時間前後で終わるこの作業も、昨日は2時間30分もかかってしまった。
それを終えて、深夜にやっと夕食。
日本食がととも、美味しかった。
感覚と時間、生活リスムのズレや、ダイレーションの場所の確保、荷物の片付けなどなど
帰国してもまだバタバタしているが
このブログは更新し続けていきます。
ダイレーションの変化や
それから、タイに滞在中には色々な面を考慮して明かせなかった
【病院名】や【具体的な術式内容】などを
公開していくので、どうか宜しくお願いします。
あと、たまに書くふざけた雑記なんかも
読んでもらえると、私は嬉しくて
むへっ、って変な声で笑います。
では、ダイレーションに行って参る。
【術後34日目】色々な変化とジャックバウワー
こんばんは。
お久しぶりです。
しばらく更新してなかったけど
みなさん、私のことを覚えていますか?
そうです。キャメロン・ディアスです。
ちょっと更新をサボったら
最高2位だったこのブログも
あれよあれよという間にランキング下降中。
更新してなかったのには、わけがあって
実は日本に帰ってきてから
絶賛体調不良だった私。
生活リズムの変化や、何かの食あたりなのか
熱は上がるわ、便は下るわ、吐くわ、吐くわ、吐くわ。
もう吐き気がずっと「俺のターン!」とばかりに私に攻撃を仕掛けてくる。
ブルーアイズ・ホワイトドラゴンとか出しそうな勢い。まじで。
出てくるのは、消化不良のカントリーマァムとかだけど。
もう、マーライオンか、ってくらい吐いてたから。
自宅のトイレがシンガポールになってたから。
ただ吐くだけならまだしも
「もしかして………あの人の…」
なんて、憧れの つわりごっこしちゃってたから私。
余計にツラくなったよね。
(※性別適合手術を受けても妊娠はしません)
まぁでも今のところ私の体を味わっているのは
Mサイズのダイレーターと、エレータ(詳しくはコチラ)の二人だけですから
どちらの子にせよ、アクリル製のカッチカッチの棒人間が産まれることには違いない。
そんな体調不良でしんどい中でも止められないのがダイレーション。
(※ダイレーションとは?
= 手術によって作られた膣が、塞がらないようにするために
毎日定期的に、棒を突っ込んで行う拡張作業のこと。詳しくは⇒コチラ)
熱が出ようが、吐こうが、血が出ようが、泣こうが喚こうが
医者から「絶対にダイレーションだけは止めんなマジで」
と帰国前に何度も念を押された私。
特に私の受けた術式は通常の陰茎反転法と違い、少し特殊であり
なおかつ、体の治癒力が高まる術後2~3ヶ月のこの時期が
最も狭窄が激しくなり
つまりは、最もダイレーションがハードになる時期。
例え体調が悪くても、迫り来る膣狭窄と戦わなければならない。
これは本当に過酷。
映画で言ったら「ダイハード」
海外ドラマでいったら「24」ばりの死闘だ。
「私はジャック・バウアー。今日は今までで一番長い日になる。」
なんてセリフと、デジタル時計の「ピッピッピ…」って映像が脳裏に浮かぶ。
ついでに「今すぐ銃を捨てろ!」とか言ってみる。ダイレーター片手に。下半身裸で。
そして吐き気と銃撃戦を繰り広げる中、ダイレーションを開始。
とにかく気持ちが悪い。
ジャックもビックリの気持ち悪さ。
思わず「なにこれ。え、台本と全然違うし」ってジャック怯むから、まじで。
「世界とか平和とか、別にどっちでもいいし」とか言い出すから。
大統領に危機が訪れようが、国がテロ攻撃にあおうが
ジャックは自宅のトイレでマーライオンだから。シンガポールだから。
「もう、とりあえずFBIとかに任せようぜ。気持ち悪いし」って帰っちゃうから。
「主演?もうシュワちゃんでよくね?」ってなっちゃうから絶対。
痛みに関しては、一ヶ月ほど前と違い
刃物で刺すような痛みこそ無くなったものの、それなりにまだ痛い。
皮膚が通常の膣と違い、あまり伸縮性が無く、堅い。
堅くて突っ張ったみたいに「いてててて」ってなる。
試しに「ゴムゴムの~」とか言ってみるも、皮膚、伸びない。
「え?もしかしてこのまま膣が閉じてしまうのではないか?」と
一瞬不安がよぎるが、深さだけは変わらずキープ出来ているので、多分大丈夫。
ただタイにいた時は1時間ほどで終わったダイレーションも
今はそれに30分ほど余計に時間がかかるようになってしまった。
これを今の時期は1日3回。
術後3ヶ月を過ぎるまではこのペース。
ダイレーションが中心の生活になっているため、しばらくは社会復帰は難しそう。
この1日に3回もダイレーションがあると
ちょっと面倒な日もあるわけですよ。
「今日ぐらいは2回でいんじゃね?」と
私の中のブラックさつきが、そそのかしてくる。
このブラックさつきは、いつも私に
例えば賞味期限が少し過ぎたヨーグルトなんかでも
「まだいけんじゃね?だって発酵物だし」とか
他にも
「見たことの無い映画を勘でレビューしてみようぜ」
とか
「このオナラは大丈夫なパターンだから」
と、下痢の際に提案してくる、危険な思想のヤツだ。
そんなブラックさつきの甘い誘惑を振り切り
何とか1日3回のペースを守っている私。
そんな困難だらけの私の術後生活にも、朗報はある。
まず、タイ滞在中は大量に服用していた、痛み止めを一切飲まなくなったこと。
やはり飲んだほうが楽なのだが
飲まずに、それなりに生活を送れるのはやはり素晴らしい。
だって、アスピリンの26倍もする痛み止めを1日何度も飲んでたのだ。
どう考えたって、体に良くない。
これが、朗報一つ目。
あと他には、そうだな。
うん。
バカボンド35巻が発売したことくらいかな。うん。
ねぇ、武蔵。
私も一緒に戦うよ。
ダイレーターという刀を片手に。
【術後36日目】生理用ナプキンとか、匂いの話
今まで生理用品って使ったことなくって。
当たり前だけど。
ちょっとした憧れを抱きつつも、アレって未知の物体だったわけ。
私にとっては、マスカラ、リップ、ハイヒールに次ぐ、ザ・女子アイテム「ナプキン」。
大人の階段登ったシンデレラだけが着用を許された、まさにドレスのようなもの。
ドラックストアなんかで「ほぅら、私は大人の女なのよ。シンデレラなの」と言わんばかりに
ナプキン片手に私の横を通りすぎていった女共。
カビキラー片手にその場に立ち尽くす私。
悔しい!
私にはナプキンを着用するチャンスすら与えられないのね!
と、涙を流したね。
カビをキラーしながら。
昔、私の体のことを何も知らない女の後輩と会話してたら
「サツキさんって、どこのナプキン使ってるんですか?」みたいなことを不意に聞かれて。
まさにキラーパス。中田英寿ばりのキラーパス。
今思えば「ロリエ」とか「ウィスパー」とか、何か適当に答えれば良かったんだけど
そんなもの一度も使ったこと無い私は、一個も名前が浮かばない。
焦る私。
が、使ったこと無いなんて言えるわけも無い。
とにかく、それっぽい名前を!と思った私は
「えっと……あれ…………ミュウ。」
ポケモンですからー。
ミュウって幻のポケモンですからー。
って、その時思ったよ。言いながらにして。
しまったー!シュート外したー!って。
PK外した駒野みたいな顔してたから私。
後輩も「え?」って顔してる。
でも、限りなく「はぁ?」に近い「え?」だ。
とにかく私は、この生理用品の話題を必死に変えたくて
「そういえば向井理が、できちゃった結婚したってー」って。
してないけど。
嘘だけど。
とにかく話題を変えるのに必死でね。
ごめんよ、理。
後輩も「うそー!初めて聞きましたー」って。
うん、私も初めて聞きましたーって、思った。
「やっぱ時代は桃李かなー」なんつって
二人で語ったあの時。
そんな私にも、いよいよナプキン着用のチャンスが、この春やってきた。
26歳にして、やっと初潮を迎えた私。
もうね、出るわ出るわ。
血が。
これでもかってくらい、出るの。
術後1カ月間くらいなんかは、特に大量。
それで、あんなに憧れていたナプキン使用の現実を知ったよね。
くさい。
もうね、ほんと、強烈。
術後直後は、血液とかリンパ液とか混ざりまくって、もうほんと。
男性諸君この匂いを嗅がせたら、一発でイ○ポにさせる自信があるくらい、くさい。
チーズ臭。
うん、私の股間でチーズが熟成されておる。
チーズっつっても、カマンベールとかモッツァレラとか、そーいうのじゃなくて。
ゴルゴンゾーラとか、そっち系ね。
ドラクエの呪文みたいな名前のやつ系ね。
もう、26歳のピュアな乙女(処女)の股間から絶対に出てはいけない匂いが出てるから。
大丈夫?
なんなら、ちょっとうちでフォンデュしてく?みたいな。
そんな術後1ヶ月間の、甘くない酸っぱいだけの思い出。
それでも術後2ヶ月目の今はかなり匂いも薄まったように思う。
血の量もかなり減った。
それでもナプキンは常時着用。
大人の女の階段登った気がする私。
ガラスの靴からサッカースパイクに履き替えて
今日こそシュート決めに行くぜ。
「ミュウツー!」ってね(違う)。
スマホの調子がすこぶる悪い
ピンクのボディが一目で気に入り、購入したスマートフォン。
生活を共にすること早2年。
もう、ね。
海外から帰ってきた途端、ずぅぅっと調子悪いの。
動きが、もうほんとカクカク。
もうカクカク度合いが半端じゃないの。
ロボットダンス選手権があったら、間違いなく優勝はウチの子だから。
そんでしょっちゅうフリーズする。
youtube見てても、すぐ止まる。
AKBの子、変なポーズで思いっきり白目むいてるから。
放送事故レベルで白目むいてるから。
早く再生再開してあげてー。フライングゲットさせてあげてー。
何か動きカクカクしてきたなーと思ったら
しばらくしたら調子良くなってスイスイ動いて
そしたらいきなり電源が落ちて
再起動させたら、誰も求めてないのにいきなり電卓を開いたり
もうね、スーパー情緒不安定。
どうした?何かあった?
ちょっとお姉さんに相談してごらん?
電波くんと上手くいってないの?
ううん、全然恥ずかしいことじゃないよ。
誰でもそういう時期、あるから。
君は一人じゃないんだよ。
私も一緒だから。うん。
ね。いつでも一緒だよ。
だから私も困ってんの。
ねぇ。ちょ、黙ってないでさ。あのさ
とりあえずちょっと、Google開こ?
みたいに、すんげー丁寧に対応してるわけですよ。
超物腰低くして。
Google先生に会わせて?って。
したら
「知り合いかも?共通の友達6人」
見事にFacebook開いてるから。勝手に。
キレのある勢いで開いたから。ドヤ顔で。
知り合いかも?じゃねぇよ。
知り合いだよ、しかも超嫌いな奴だよ。
音楽を聴いてても、ダメなのね。
「シーソー、シーソー、シーソーシーソーシーソーシーソー」
あれ?ミスチルってラップだったけ?ってくらい。怒涛のシーソー攻撃。
そのうち、親リスペクトとか言い出すんじゃないの?ってくらい見事に桜井さんがラップ刻んでる。
ただね、見た目は可愛いんですよ。うちの子。
発色の良いピンク色の体で、小柄で細身で、とってもキュート。
見た目の良さに惹かれたようなもんですよ。あの頃は可愛かったな。
それが今となっては、林家パー子ですよ。
もうね、何言ってるか全然分かんないの。
意志の疎通が取れないの。
お願いですから、言うこと聞いて。
ちょ、あの、勝手にスケジュール帳開くの止めてもらえませんか?
あの、アラームも止めてください。ほんと、近所迷惑なんで。
勝手にカメラアプリ起動させて、ポケットの中でずっと連写。
ずーっとパシャパシャいってるから、キャハハーっつって。
あぁ、ほらね。
アルバムの中が一面真っ黒だから。パー子さん。
もうね、暴走。
パー子大暴走。
エヴァ初号機もビックリの暴走っぷり
「うん。じゃあ、僕そろそろ帰るんで、使徒とかパァーっとやっちゃって下さい」って言っちゃうね、間違いなく。
オペレーターのマヤちゃんも
「パターンピンク!パー子です!」って確認しちゃうから。
さらにはウチのパー子、テンション上がりすぎちゃって
ここ数日で、電話が出来なくなったっちゃんだよね。
スマートフォンなのに電話が出来ないって、これってかなり致命傷なんじゃない?
一番大事じゃんそこ。
大事MANブラザーズバンドも言ってたよ。
それが一番大事って。
もはやただのスマートだよねそれ。
フォンの部分、機能してないから。
それでね
ついに買い替えを決意したわけで。
パー子も嫌いじゃないんだけど、電話も取り合ってくれないのは、さすがに ちょっと。
新製品のカタログを開き、吟味。
なるほど、何かカッコイイのが沢山あるのね。
これなんてよさそうじゃん。
GALAXY SⅢ
GALAXYシリーズの最新機種で、見た目もおしゃれで、スペックも良さげ。
いいぞ、いいぞ。
ウチのパー子なんかより、とても優秀な気がする。
キャッチコピーも
「人にやさしい GALAXY」
いいんじゃないの?
こんな台詞も、グッとくるじゃない。
クラーク博士あたりが、そんな感じのこと言ってなかったっけ?
「少年よ、大志を抱け。あと、人にやさしい GALAXY」
みたいな。言ってたよね。
というわけで、近々スマホを買い換えます。
さようなら、パー子。
そして、ありがとうパー子。
って、言ってるそばから勝手にシャッター切ってるパー子。
【術後4ヶ月19日目】Google検索2位になりました
お久しぶりです。
しばらく更新していなかったこのブログを、今日は色々書こうと思います。
いつもみたいな楽しい文章ではなく
少し真面目な話をするので、面白くないかもしれませんが、最後まで読んでもらえたら幸いです。
ずっと更新していなかったのには3つ理由があります。
一つ目は今年の5月に、私にとって大変悲しい出来事が起こりました。
何があったのかは、ここでは詳しく書きませんが
精神的に非常に不安定な日々が続き、ブログを更新する余裕がありませんでした。
今でも、それから本当に立ち直れたかは、微妙です。
よく分かりません。
それでも毎日は私の意思とは関係なく過ぎていくし、人は前を向かなければならない生き物なんだと思います。
更新していなかった理由の二つ目は、体調の悪化です。
この件に関してはまた別の記事で詳しく書きますが
患部の状態がとても悪くなってしまい、ダイレーションを行うことすら困難なくらい悪化してしまいました。
今ではかなり回復しましたが、一つ目の理由と重なって、こちらもかなり精神的に参ってしまいました。
三つ目の理由は、住む場所が変わりました。
東京に引っ越しです。
愛知県民だった私が上京をしたのです。
荷造りやら物件探しやらで、時間的余裕もありませんでした。
そんなこんなでブログの更新も全く行っていなかったのですが
最近、上京してきてたくさんの人達とお話する機会が増えました。
私と同じ性同一性障害者(GID)の方達とも会うことも多いです。
その中で驚いたのが
私が想像してる以上に、たくさんの方々がこのブログを読んで下さっているという事でした。
色々な場所で『さつきさんのブログ読んでます』と言って頂ける事が非常に多くてビックリしました。
初めは自分の記録用に書いていたこのブログ。
とても嬉しかったのが、多くの方々が『ブログを読んで勉強になった』と口にして下さることです。
性別適合手術は、最近ではよく耳にする事が多くなりましたが
その詳細な部分が、実は不明な点が多く
具体的にどのくらい痛いのか?
術後の経過や回復の度合いはどの程度なのか?
ダイレーションって、実際はどんな手順で行うのか?
またどれほどの痛みや手間があるのか?
そもそも病院ってどうやって選ぶのか?
そういった情報が、この日本ではまだまだ不足しているのです。
私ももちろん、自分が受けた術式の事しか書けませんし
術後の経過やダイレーションの具合なんかは個人差が大きいことも事実です。
それでも私は、私の手術の経験をブログで発信することで
同じ性同一性障害の方や、またそうでない方にも
少しでも多くの人に、この手術の実態を分かってもらえたらと思います。
このブログは
テレビなんかでは報道されないような
手術の痛々しい部分や、汚い部分
性別適合手術の『リアル』を隠さず発信します。
一通り読んでみて、もしかしたら
『私にはやっぱり手術は無理かも』と思ってしまうかもしれません。
性別適合手術は、本当に過酷です。
肉体的にも、精神的にも、普段では考えられないような負荷がかかります。
当然リスクもあります。
体調を万全にして
精神的に(恋愛や家族の支え)もベストコンディションにして
そうやって挑んでも、何度も人生投げ出したくなります。
性別適合手術を受けた者に自殺者が多い現実も、今の私なら納得できます。
そういったエグい部分も全部書いてあるこのブログを読んで
それでも『私は手術を受けたい!』という人達の
少しでも参考になれれば、私は幸せです。
Google検索で『性別適合手術』と検索すると
このブログが2番目に表示されるようになりました。
Wikipediaの次です。
それだけ沢山の方々に読まれていると思うと大変驚いているのですが
少しでも多くの方々に、感じて欲しい。
性同一性障害の人には是非
『私も手術を頑張る』と思って欲しいし
性同一性障害じゃないけど、このブログを読んで下さっている人は是非
『お前も手術頑張ってこいよ』
と、身近にいる性同一性障害の人を応援してあげて下さい。
このブログが少しでもそういう人達の役にたてたらな、と思います。
【術後4ヶ月19日目】
またまだ大変な日々は続くけれど
私はこの手術を受けて本当に良かったと
心からそう思います。
今後も引き続き更新していきますし
間が空いていた3ヶ月間の事も書いていきますので
宜しくお願い致します。
Android携帯からの投稿
私自身と、夢について
私には夢がある。
10年前から持ち続けている夢だ。
それは、私のような
「性同一性障害者がもっと住みやすい社会を作ること」だ。
もっと端的に言ってしまえば、世の中を変えたい。
そんな政治家みたいな大層で、人に言ったら笑われてしまうようなことが夢なんだ。
最近ではメディアに性同一性障害について頻繁に取り上げられるようになったし
そういった有名人やタレントも増えてきている。
少しずつではあるが世の中の流れは、私たち性同一性障害者に風向きが向いてきている。
だけども現実問題、差別や偏見はまだまだ根強い。
友人・知人・親の理解、就職問題、学校での扱い、公的機関の対応、恋人との付き合い方・・・
挙げればきりが無く、私たち性同一性障害者が生活するうえでメディアでは報道しないような泥臭い問題は山ほどある。
私もそんな問題に直面してきた人間の一人だ。
自分が「人と違う」と初めて気がついたのは幼稚園の時。
小さな社会で『男の子』として初めてカテゴライズされ
制服、席順、並び順、遊び方、その全てに男であることを求められた生活。
そんな生活はその先も、小学校に進もうが中学生になろうが、何年と送らなければいけなかった。
とても苦痛だったが、当時はまだ【性同一性障害】という概念が無く
オカマ汚い・気持ち悪い、の時代だった。
女の子への憧ればかりが日増しに大きくなっても
人と違うことが恐怖で、とにかく恐怖で
誰にも打ち明けられないまま、自分が何者なのかも分からないまま何年も苦痛の日々を送ってきた。
そしてTBSの金八先生というドラマで初めて世の中に「性同一性障害」という概念が広まった。
それは分かりやすく言うと「心と体の性別が一致しないこと」
あぁ、自分はコレなんだなと知った。
しかし当時はまだ今ほど情報がネットや社会に普及しておらず
じゃあどうすれば「女」になれるのか?が不明瞭のままだった。
手探りに情報を引っかき集めて、女性ホルモンを体内に取り込めば体を女性化出来ることが分かった。
しかしこの女性ホルモン
体を女性化させてくれる魔法のような効果が得られる一方、それに伴う副作用もとても大きなものだった。
この「女性ホルモン」については別の記事で詳しく書く予定なのでここでは簡単にしか書かないけれど
・投与半年程で不妊(つまりは無精子)
・一生飲み続けなければいけない体になる
・肝臓、腎臓への大きな負担
・睾丸の萎縮
・更年期障害のような症状も出始める
そしてなにより、【一度初めてしまったらもう二度と元には戻れない】ということもあり、自分の一生を決める覚悟が必要になる。
ネットで検索をしても、良いことよりも悪いことの方が何倍にも書かれている。
どう考えたって長生きできそうに無い。
しかし、あれこれ悩んでいるこの瞬間にも体は刻一刻と「大人の男」へ成長を続けている。
もし女性化を始めるのであれば、早いほうが良い。
しかし自分に、そんな事決められるのか?
一生薬に縛られるの?
子供は?
結婚は?親へはなんて言う?
就職だってどうする?まともな就職先があるとは思えない。
みんなに気持ち悪がられるかもしれない生活、そんなの耐えられる?
いつまでも解決しない疑問ばかりが頭に浮かんではぐるぐる脳内を巡る毎日。
そんな私が悩んでいる横で、どの部活動に入部するか悩んでる同級生達の姿が羨ましくさえ感じた。
とにかく辛かった。
辛かったけど、だれにも相談できないし、誰も助けてなんかくれない。
そもそも女性ホルモンを投与しても、性別適合手術を受けようとも、子供を産めるようになるわけでは無い。
それでも「女」と言えるのか?
そんな自分を、誰が愛してくれるのか?
それでもどうしても、「オジサンになった男の自分」になることだけは耐えられそうになかった。
例え皆に気持ち悪がられてもいいから、男として人生を終えることだけは避けたかった。
だから私は、消去法で体の女性化を始めたのだ。
決して前向きな気持ちなんかじゃない。
ただ、もがいて あがいて苦しんで、わらにもすがる思いで女性ホルモンの投与を始めた。
ただ先にも言ったように当時は情報も少なく、今では考えられないが未成年でもホルモン注射を行ってくれる闇医者のような所に、法外な料金を支払い注射をしてもらった。
今思えば、投与量も適当だったのだろう。
初めて注射を打ったその日は、気分が悪くなり何度か吐いて、夕食の時間より前に眠ってしまった。
とにかく情報が無かった。
大切なことは、情報なんだとその時に知った。
この気持ちが、私が今このブログを更新している原点かもしれない。
後々は病院も変えたが、その後もコツコツとホルモン注射を続け
良くも悪くも、様々な変化が身に起こることになる。
しばらくしてから大学に入学、そして卒業、就職。
私の場合は運良く、女性社員として採用してくれる広告代理店を見つけることが出来た。
そして女性としての生活を送り、現在に至る。
このブログを更新してはいるが、実生活では私が『元・男性』だと知らない人も多い。
今の私しか知らない人は、何の苦労も無く今の生活を手に入れたと思う人もいるかもしれないけれど
私にも昔はオカマといじめられたり、親に不気味がられたりした時代もあった。
子供が産めない現実に涙を流すこともあったし、そんな自分の体を恋人に負い目に感じた事もある。
だけど今は、ここまで頑張ってきて良かったと思える。
心底そう思える。
普通の人とは違う生き方だけど、だからこそ得られたものもある。
性別適合手術を受けると、本当に気分が変わる。
晴々する。
私は以前、いや もしかしたら手術直前まで『手術なんてしても、外見が変わるわけでもないし、大した意味無いじゃん』って思ってた人だ。
確かにそうかもしれない。
外見に関しては何も変わるわけでは無いので、別の努力が必要だ。
術後のダイレーションだって予想以上にとんでもなく過酷で、文字通り血がにじむような試練を毎日繰り返さなければならない
だけど、手術を終え、それも乗り越え
今までずっと自分を苦しめ、なかば諦めかけていた『アレ』が無くなるというのは
想像以上に気持ちが前向きになる。
これは同じ手術を受けた友達が皆、同じようなことを口にする。
『子供が産めない時点で女じゃない』
そう言ってくる人もいるかもしれない。
だけど信じて欲しい。
この手術を受けた後は、少なくとも以前の自分よりは確実に女に近づけるし
人になんと言われようと、何より自分は女だという自信が持てる。
私は性同一性障害
だけど今、私は幸せです。
私達、性同一性障害者に対する差別や偏見は、まだまだ根強い。
何も悪いことをしていなくても、後ろ指をさされてしまう。
でも一度、考えて欲しい。
そんな世の中を一体誰が変えてくれるの?
私達、性同一性障害者が立ち上がらなければ、何も変わらない。
世間は無条件に手を差し伸べてくれるほど甘くはない。
いつだって、男が女に変わることは甘いことじゃないんだよ。
私は、同じ悩みを抱えた仲間や
それこそ今ランドセルを背負っている性同一性障害の子達が
もっと住みやすい世の中を作りたい。
それが私の夢なんだ。
話を最初に戻すと
そんな夢を持ち続け、自分に何が出来るのか?と最近ずっと考えてました
そこでこのブログのことを思いつきました。
性別適合手術について記載したこのブログ
私の体験が綴られたこのブログが沢山の人に必要とされてることが、とても嬉しく感じます。
そこで、例えば私と同じ手術を受けたい人のサポートなど
私と同じような悩みや問題を抱えている人を助けるお手伝いが出来るお仕事を始めます。
【病院選びについて】国内・海外(タイ)のメリット デメリット
こんにちは。
今日は皆さんに【病院選び】についてお話したいと思います。
※今回お話しする内容は、あくまで私個人の見解であり、この意見が絶対に正しいというものではありません。
また、各国にある様々な病院、または手術方法を否定する意思はありませんので、その点をご了承下さい。
この病院選び。
この選択によって、私たち患者の一生を左右するといっても過言ではありません。
まずはじめに、性転換手術(現在では性別適合手術と言われるのが一般的です)が
一体どこで行われているのか。
現在日本人に人気があるのが、日本国内の病院と、タイの病院です。
実際にはアメリカ・スペイン、ひと昔前はモロッコなど、世界各国で行われているのですが
今回は「日本」「タイ」このふたつについてお話したいと思います。
まず私が悩んだ最初のポイントは手術を【日本国内で受けるのか】【タイで受けるのか】で悩みました。
おそらくこのブログを読んで下さっている方の中にも、同じポイントで悩まれている方は多いのではないでしょうか?
そこで各メリット・デメリットを書きたいと思います。
(※あくまで私個人の見解です)
【日本国内での手術の場合】
~メリット~
・言葉の問題が無く、医者との意思疎通がスムーズに行える安心感
・長期休暇を取ることが難しい場合でも、術後も通院という形で対応できるため、スケジュール調節が行いやすい
・外性器の形状の形成はできるので、性交渉を望まない場合は手軽である
・術後のアフターケアに関して、比較的容易に足を運ぶことが可能である
~デメリット~
・技術的に歴史の浅い病院が多く、術式も発展段階のため技術面で不安がある
・神経の接続まで行わない術式も多く、快感が得られない場合がある
・手術費用が高額
・予約を取るまでに時間がかかる所が多い(なかには1年以上先なんて話も)
【タイでの手術の場合】
~メリット~
・歴史的に長い病院が多数存在しているため、世界中から手術を受けにくる患者が多く、技術面での安心感が強い(現在タイは世界で一番多く手術を行っていることで有名)
・神経や機能を重視している術式の場合は、回復後に十分な快感が得られる
・反転法、S字結腸法、反転法と皮膚移植のミックス法、外性器を二度に分けて行う手術など、バリエーションに富んでいる
・内部、外見ともに高い満足感を得られる(但し、皮膚や体質による個人差も大きい)
・費用はピンきりで、安いところでは70万ぐらいから。
・病院によっては最短2ヵ月後に予約が取れる(私がそうでした)
~デメリット~
・言葉の壁がある(但しそれほどの英語力が無くても私の場合は問題ありませんでした)
・術後経過観察も含め3週間程の度航期間が必要
・帰国後、万が一患部に不具合がでた場合、再度タイへ渡航する場合もある
・国内の医療機関では術後の処置を拒否されることもある(但し日本国内でも診察を行ってくれる病院はあります)
ざっとこんな感じです。
もしここに記載されていないメリット、デメリットがありましたらメッセージ等でお知らせ下さい。
随時更新していきます。
さて、今ここに書いてお分かりのように
日本国内で行う手術も、タイで行う手術も、どちらも一長一短です。
次のブログでお話しする予定の【手術方式(反転法・S字結腸法 etc)】にも同じ事が言えますが
『この病院で、この術式で行えば全てオッケー。パーフェクト!』なんてものは残念ながら存在しません。
手術を受けるにあたって【自分が何を優先しているのか?】を考えてみて下さい。
・手術の上手さを優先したい
・実績の多い病院がいい
・入院期間が短い方がいい
・とにかく費用を押さえたい
・安全面を考慮したい
・手術後のフォローが手軽な方が良い
この様に、何を優先させたいかによって
国内か、もしくはタイの方が良いのかという判断基準は変わってきます。
私の場合は、とにかく【技術面】を一番に優先して病院を探しました。
様々な情報を検討し、技術面やその他の要因がもっとも自分にあっていると思った病院に決めました。
そして次に大事なのは【術式選び】です。
現在大きく分けて次の二つの術式が、性転換手術では主流です。
・陰茎反転法
・S字結腸法
一見よく似ているこの二つの術式ですが
内部の構造や、使用する皮膚の場所など、全く違うものになります。
当然これにも、どちらが優れているというものはなく
メリット・デメリットが各々存在します。
これに関しては少し長くなってしまったので、次の記事に分けて書きたいと思います。
【様々な手術方法の説明】陰茎反転法・S字結腸法など
今回は性別適合手術・性転換手術の術式についてお伝えしたいと思います。
まず一概に性別適合手術といっても、実はその種類は一つでは無いのです。
1・陰茎反転法
2・S字結腸法
3・その他の術式
4・造膣無しの手術法
まず分かりやすい4の「造膣無しの手術法」について解説をします。
現在日本の法律では、ある一定の条件を満たせば戸籍上の性別変更が可能です(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律)
条件は以下の通りで
・二十歳以上であること。
・現に婚姻をしていないこと。
・現に未成年の子がいないこと。
・生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
・その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
少し難しい言葉で色々と書かれていますが、一番最後の部分
この部分を簡単に表現するとつまりは性別適合手術を受けていることというのが条件になります。
しかしこの法律、よく見てみるとあくまで外観を備えていることが条件であるため
実際に性行為が可能な膣の有無は問われていないのです。
よって、戸籍変更をしたい・ペニスを除去したいけれど
性行為は望んでいない、または術後のダイレーションはやりたくない、といった場合は
この4の手術法が最も最適といえます。
しかし、やはり性行為が行なえる膣を手に入れたい
そういった場合は上記の1・2または3の手術を選択しなければなりません。
まずどの手術にも共通していえることはダイレーションは必ず行なわねばなりません。
ダイレーションとは、造った膣が塞がらないようにするために定期的に行なう拡張作業のことです。
※ダイレーションの手順については別の日記に詳しく記載してあります→コチラ(術後11日目ダイレーションの手順)
ピアスの穴を想像してみて下さい。
ものすごく簡単に表現するとアレと一緒です。
せっかく膣を作ったとしても、残念ながら私たちの体はそれを「傷口」と認識してしまい、治そうとします。
つまりは傷口を塞ぐのです。
せっかく手術して造った膣が塞がってしまっては意味が無いですよね。
そうならないためにも専用の器具を使用し、定期的に膣にそれを突っ込んで塞がらないようにケアし
穴の大きさが固定されるように努めます。
ちなみにこのダイレーション、どの手術法を選択しても術後3ヶ月頃までは毎日(1日2~3回 所要時間1時間~2時間)行なう必要があります。
もちろんその後も、回数は減ってもずっと続けなければいけません。
痛みに関しては個人差がありますが
「痛いけど我慢できる」人もいれば
「激痛すぎて毎回涙が出る」人まで様々ですが
全員に共通するのは「痛い」ということです。
ダイレーションが全く痛く無い人もまれにいますが、本当にまれです。
とりあえず痛いは痛いです。
さて前置きが長くなりましたが
手術法の説明に移りましょう。
~陰茎反転法~
[手術概要]
陰茎陰嚢皮弁反転法とも呼ばれ、広く普及している術式です。
この手術法の特徴は、陰茎を再利用して膣を形成するということです。
睾丸摘出手術を済ませていない方に適しています。
1.陰嚢と肛門の間に膣を形成する空間を作成
2.陰嚢内の睾丸を摘出
3.陰茎の皮膚を剥離
4.陰茎海綿体と尿道海綿体に分離
5.陰茎海綿体の亀頭部1/3程度を陰核として使用するために残す
6.尿道として利用する部分を残し尿道海綿体を切断
7.陰茎と陰嚢の皮膚を膣を形成する空間に反転させ膣を形成
8.陰嚢部の組織を利用し小陰唇などの外性器を形成
何だか難しい言葉が沢山並びましたが、分かりやすく説明すると
まず、体に穴を開けます。イメージとしては睾丸と肛門の間くらい。
次に睾丸を摘出します。
そしてペニスを削ぎ落とします。
男性陣大丈夫ですか?画面の前で「おーイテテテ…」ってなってませんか?
続けます。
性別適合手術というと、ペニスをハサミで横にチョキーンと切り離すイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、この手術法は違います。
根元の一部は体から切り離さずに、残したままです。
そして繋がっているペニスを先ほど作った穴に向かってグルンと中に入れます。
そうやって膣の内部の内張り。
亀頭の部分はクリトリスとして再利用。
小陰唇(つまりはビラビラ)用に確保しておいたペニスでそれを形成。
陰茎反転法をざっくり説明するとこんな感じです。
男性陣大丈夫ですか?顔が青いですよ。
さて、次の説明に移りましょう。
~S字結腸法~
[手術概要]
ホルモン投与を長期間続けている方、睾丸摘出手術を受けている方で
陰茎の長さや陰嚢の皮膚が不足していて反転法での膣形成が 難しい方に適用される手術方式です。
1.下腹部を切開し、S状結腸を10数cm切除して摘出
2.陰嚢と肛門の間に膣を形成する空間を作成
3.陰茎の皮膚を剥離(陰嚢と睾丸が残っている場合は切除)
4.陰茎海綿体と尿道海綿体に分離
5.陰茎海綿体の亀頭部1/3程度を陰核とするために残す
6.尿道として利用する部分を残し尿道海綿体を切断
7.作成した空間に摘出したS状結腸で新しい膣を形成
8.陰嚢部の組織を利用し小陰唇などの外性器を形成
そもそもS字結腸って何?と思われる方も多いかもしれません。
私も性別適合手術について調べるまで知りませんでした。
S字結腸とは、大腸の主要部分である結腸の末端にあたる部分。
腹部の左側にある下行結腸に続き、S字型にカーブしながら直腸へつながっています。
そして、S字結腸は完全に腹膜に包まれていて
便がメチャクチャ溜まりやすい場所でもあります。
反転法がペニスを再利用して膣の内部を形成するのに対し
結腸法の場合は、S字結腸自体を膣そのものとして再利用します。
その他の細かな違いはありますが、大きな違いはこの一点です。
さてさて、今説明したこの2つの手術法ですが
各手術法のメリット・デメリットについて説明しようと思います。
~陰茎反転法のメリット~
・結腸法に比べ、金額が多少安い
・結腸法に比べ、S字結腸を取り出す手間が無い分体への負担が少ない
・結腸法に比べ、膣内部のニオイが少ない(ニオイが無い、と説明しているサイトが多いですが、多少はあります。ただし普通の女性レベルなので清潔にしていれば問題ありません)
・結腸法に比べ、陰茎を再利用しているため膣内部の性感が強い
・陰茎を利用しているという性質上、膣内部の伸縮性がある
・万が一膣が塞がってしまった場合でも、S字結腸手術で再度造膣が可能(ただし体の負担が大きいためオススメはしません)
~陰茎反転法のデメリット~
・陰茎の長さや、睾丸の収縮状況によっては十分な深さの膣が作れない場合がある
・結腸法に比べ、ダイレーションの頻度や痛みが重い
・微量に濡れることはあるが、ほぼ濡れない事が多い
続いては、S字結腸法についてです。
~S字結腸法のメリット~
・反転法に比べ、ペニスの長さ・睾丸の萎縮具合に関係なく十分な膣の深さが得られる
・反転法に比べ、もともと筒状の腸を膣としてあてがうのでダイレーションのメニューが軽い
・反転法に比べ、腸液が膣内部に分泌されるため濡れる(ただし性交に十分な量では無いことも多い)
~S字結腸のデメリット~
・反転法に比べ、料金が高い
・反転法に比べ、腸を取り出す手術工程が増えるため体への負担が大きく、またお腹に傷跡が残る(10センチ程度)
・反転法に比べ、腸を再利用しているためニオイが強い(ただし一生では無い)
・反転法に比べ、腸にはもともと性感が無いため膣内部の性感が弱い
・腸を利用しているという性質上、様々なものを吸収してしまうため病気へのリスクが若干高い
次に、各手術法の共通点についてまとめます
~陰茎反転法・S字結腸法の共通点~
・メニューの重さに違いはあれど、ダイレーションはしなければならない
・性交時には潤滑油(ローション)が必要
・クリトリスに関しては同じ方法で作るので、クリトリスの性感は同じ
・どちらの手術も子供が産めるようにはならない
このようにどちらの手術法にもメリット・デメリットがあります。
必ずしもどちらが優れているというつもりもありませんし、それは個人で判断して頂けたらと思います。
最近のインターネットや人づての情報で
「反転法の方が主流だ」とか
「最近ではS字結腸法の方を進める病院が増えてきている」だとか
様々な声が聞こえてきますが、それをここで検討するのは控えさせて頂きますね。
私の場合、手術法を決めるにあたって考えていたのが
「ダイレーションがきつくてもいいから、とにかく性感が強いほう!」
ダイレーションならめちゃ頑張るからさぁぁ!
ほんと、感度だけは!感度だけは!!
そこんとこ宜しくドクターッ!!
って。
すみませんね、身もふたもなくて。
なので陰茎反転法を選択しようかと考えました。
いや、他にもニオイだったり傷跡が少ないだとか様々な要因はあったのですが。
しかし
10年近くに及ぶホルモン治療の影響で、陰茎の萎縮が進んでしまっていて
通常の陰茎反転法では十分な膣の深さが得られないことが判明しました。
ただ、どうしても諦めきれなかった私は、様々な情報を集めて調べて、なんとかならないかと模索しました。
海外のサイトも調べました。
そこで、ある一つの病院にたどり着きます。
そこでは通常の陰茎反転法と違い、陰茎反転法+αとでも言いましょうか
陰茎のだけでは足りない皮膚を、別の部分からも補い十分な膣の深さを確保する手術法でした。
しかも性器の外観もかなり精巧に仕上げてくれる手術法だったので、そこに決めました。
おかげで、術後10ヶ月経った今では膣に十分な性感がありますし、またオーガズムも得られます。
少し文章が長くなってしまったので、次のブログに分けて書きたいと思います。